サービス概要―緩降機

緩降機とは

 ここでは当社の主力製品でもある緩降機について紹介します。
「避難器具とは」でも記した通り、使用者が他人の力を借りずに自重により自動的に連続交互に降下することができる機構を有するものをいい、常時取り付け具に固定されて使用する固定式と、使用時に取り付け具に取付られて使用する可搬式があります。これ以外の分類即ち規格としては、一人用と多人数用があります。しかし、日本国内に本拠を置くメーカーで多人数用を製造しているところはありません。多人数では降下時のタイミングを合わせなければならない等多くの問題が生じます。このため規格上は認められているものの、その安全性を考えて現状では国家検定合格品はありません。よってここでは一人用の緩降機に限定して記述します。

まず、固定式ですが、日本では一社しか製造していません。常時取り付け具に固定されていますので、調速器を取付金具に取り付ける手間が省けます。次に可搬式ですが、これは当社も含めて日本の緩降機メーカーは全て製造しています。一般に収納したときの見た目が固定式に比べて良好です。普段使用しないものということもあって、現在は可搬式が主流になっています。

では細部について見ていきましょう。
まず、緩降機は一般に調速器、調速器の連結部、ロープ及び着用具で構成されるものであることとされています。

1. 調速器

調速器とは、読んで字のごとく降下速度を調整する器械(機械にあらず、原動機の類は装備していません。)のことで、緩降機の命ともいえる部分です。メーカー技術陣の腕の見せ所と言えるでしょう。緩降機の最大使用荷重は、最大使用者数(各社とも上記の理由で1人です。)に1000Nを乗じた値以上でなければなりません。当社では規格を上回る耐荷重1360N(300ポンド)のオリロー300(降第10-1号)と規格に準拠した耐荷重1000NのオリローU(ロープ長3m〜40m:降第10-2号;ロープ長41m〜50m:降第12-1号)を用意して、お客様のご要望に答えています。また、調速器は常時分解掃除等を行わなくても作動することや、機能に異常を生じさせるおそれのある砂その他の異物が容易に入らないよう措置されていること等の諸条件があります。従ってお客様のほうで注油分解清掃等を行っていただく必要はありません。「絶対に」お止め下さるようお願い申し上げます。

2. 調速器の連結部

フックがこれにあたります。当然のことですが、使用中に分解、損傷、変形又は調速器の離脱を生じないものでなければならないとされています。

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3. ロープ

JISG3535で定める航空機用ワイヤーロープ(当社では直径3.5mmのものを採用しています。)を芯として綿糸で覆い、さらにポリエステルの外装を金剛打ちで施しています。損傷を生じないことはもちろん、降下中の旋転を防止するのが大きなポイントです。また、緩降機のロープ長についてですが、取付位置に器具を設置したとき、降着面等へ降ろした着用具の下端が降着面等からプラスマイナス0.5mの範囲となるように設定することとされています。具体的には、床面から地面までの長さとお考えください。当社に限らず緩降機メーカーはロープ長を1m刻みで製造しています。この時に端数が出た場合は四捨五入でお願いします。0.5mならば切り上げ、0.4mならば切り下げてください。例えば、床面から地面まで10.8mならばロープ長11mの緩降機をご採用ください。同様に10.3mならば10mの緩降機をご採用ください。

4. 着用具

実際に使用される方が体重を預ける部分です。

T.現行品(降第10-1号、降第10-2号、降第12-1号)

  1. 緊結金具
    ロープと着用具を連結しています。
  2. ベルト&ベルトガイド
    緊結金具から調体部までをつなぎ使用者の身体を固定します。身体を十分後方にそらすことで自動的に締まりマジックテープがくっつきます。
  3. 調体部(調体ばね・調体環)
    使用時には使用者の体重が降下方向に加わる部分です。上記のベルト部分と一体で着用具として機能します。最大使用荷重の6.5倍に相当する引張荷重を加えて5分間保持した場合、破断又は著しい変形を生じないものであることとされています。当社の技術開発陣は平成13年3月13日に「緩降機の着用具の改良」で消防庁長官より優秀賞を受賞しています。

U.前規格品(降第6-6号:型式失効ではありません。)

  1. 緊結金具
    ロープと着用具を連結しています。
  2. 着用具(ベルト&調体部&リング)
    ベルトから調体部まで一体化してあります。調体部の端にはリングがついており、着用具を着用すると自動的に締まります。

V.旧規格品(降第51-4号:型式失効です。)

  1. 緊結金具
    ロープと着用具を連結しています。
  2. 着用具(ベルト&調整環)
    緊結金具とベルトの間に調整環があり、ベルトを着用後、調整環を手前に引き使用者がすり抜けない様に調整します。

5. リール

ご使用前に投げ下ろしていただくのがこのリールです。調速器1つにつき、2つの着用具がついています。リールには長い方の着用具がロープとともに巻きつけられています。万一人に当たっても大きな受傷の無いようにポリエチレンで作られています。冒頭にも記述しました通り、避難器具をご利用いただくのは逃げ遅れた方です。従って、消防・警察への通報は既になされており、道路は封鎖され一般人は通行していないはずです。もし、何かの間違いで当たってしまっても違法性が阻却される可能性が高いといえるでしょう。人にリールをぶつけてしまうことを恐れて、リールから長い方の着用具を取り外してから、地上にロープと着用具だけを下ろすことは「絶対に」お止めください。「必ずリールごと」投げ下ろしてください。緩降機で事故を起こすのは、誤って長い方の着用具を着用して降下したか、着用具を使用方法のとおりに着用しないで降下したかのいずれかです。緩降機の構造それ自体に起因して事故が起きたことは過去に一度もありません。

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